ミシン刺繍の世界をあちこち放浪しております、ほこにこです。
ミシン刺繍のマニアックなブログですがお立ち寄りありがとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
ミシン刺繍は大まかに次のように分類されます。
- コンピューター制御の全自動のミシン刺繍
- フリーモーション刺繍
送り歯を下げ押さえを外し自由に布を動かして縫うミシン刺繍です。
直線、ジグザクのフリーモーション刺繍、足踏みミシン刺繍などがあまりす。 - 横振りミシン刺繍
ジグザクの幅を膝のレバーで変化できる横振りミシンで行う刺繍です。バリアブルZZという機能があるジャノメミシンは同じような刺繍が可能です。
私はロシアの刺繍学校で足踏みミシン時代からのフリーモーション刺繍の技法を学びました。それを足踏みミシン刺繍として分類しています。
その後、横振り刺繍機能搭載のジャノメの家庭用ミシンを手に入れました。今は足踏みミシン刺繍、横振りミシン刺繍、両方の技法を練習しています。
出来上がりの雰囲気は
手刺繍 < 足踏みミシン刺繍 < 横振りミシン刺繍 < 全自動のミシン刺繍
※矢印の向きに意味はありません
私は手刺繍に近いほど好み。作品としての出来上がりは足踏みミシン刺繍が好き。だけど自分で枠を動かすと手間と時間がかかる。
横振りミシンはミシンの針が可変でジグザクしてくれるから楽。でも出来上がりは手刺繍とは遠くなります。
どちらの技法に進むべきかうろうろさまよっています。
ところが目から鱗の出来事が…
私は足踏みミシン刺繍の技法と横振りミシン刺繍の技法は別々にすべきものと考えていたのですが YouTube に一つの刺繍作品に両方の技法を取り入れている方がいたのです。足踏みミシン刺繍、横振りミシン刺繍の括りにこだわり過ぎていました。
M.Embroidery 515さんは足踏みミシン刺繍、横振りミシン刺繍、どちらの腕前も素晴らしい。花のロング&ショートステッチは足踏みミシン刺繍の技法で縫っています。横振りミシンなのに膝で振り幅を変える横振りを使わず直線縫いで刺繍枠を自分で振って縫っているのです。葉のサテンステッチは横振り刺繍で仕上げています。二つの技法が見事に融合しています。
追記(22.10.14):
動画を低速で見てみると振り幅のあるジグザグ縫いに枠を振ってランダムさを与えている場面があります。そのためグラデーションが綺麗に馴染んでいます。難易度の高い技術です。
Embroidery machine Design | Rope line
引用元: M.Embroidery 515
カットワークと花のモチーフを組み合わせた刺繍も美しいです。カットワーク部分はジグザグで処理していますがその正確さが素晴らしい。レーヨン糸を使用しているとのことで上品な光沢が繊細な刺繍に合っています。
ハイブリッドは調和させるのが難しそうですが適材適所で自分の刺繍に取り入りたいと思います。
もうおひとり、とても気になる横振り刺繍の名人がいます。横振り刺繍に興味がある方なら役立つ動画が盛りだくさんですよ。グラデーションの表現方法がとても参考になります。横振りミシンでも手刺繍のような柔らかさを感じます。
Hoa Pensee (Free motion Embroidery)
引用元: Hien Tran
ベトナム語を使用しているのでベトナム出身の方だと思われます。民族衣装アオザイに色鮮やかな刺繍をされているようです。動画の名人技にうっとりしてしまいます。