刺繍ソフトのお試し版
前回、フリーの刺繍ソフト「Ink/Stitch」でイラスト画像を元に刺繍データの作成をしました。刺繍データに変換しやすいように画像を修正したり、フィルステッチ(たたみ縫い)からサテンステッチに変更するためのパスの変更に時間がかかりました。
市販のソフトの使い勝手はどうなんだろう…気になります。
そこで有料の刺繍ソフトのお試し版を二種類、使ってみました。
プラザー 刺しゅうPRO 11
一つはプラザーの「刺しゅうPRO 11」です。プラザーのサイトにお試し版ダウンロードのリンクがあります。
オリジナル刺しゅうデータ作成ソフトウェア 刺しゅうPRO |家庭用ミシン|ブラザー
オープン価格で実質10万円前後のソフトです。この価格でもミシンメーカのソフトの中では安い方です。ミシン刺繍が気軽に始められない理由の一つでしょうか。
イラスト画像から刺しゅうデータを作成するオートパンチ、クロスステッチ機能、写真から刺繍データを作成するフォトステッチ機能があります。プラザーのソフトですがジャノメの刺繍データ(.jef)も出力できるそうです。
刺繍ミシンの刺繍データは各社様々で共通ではありません。しかし刺繍ソフトは自社の刺繍データ以外にも対応しています。私の刺繍ミシンはジャノメですがジャノメのソフトじゃないとダメというわけではないのです。
ベルニナ 刺しゅうソフトウェア8 - DesignerPlusフルバージョン
もう一つはベルニナの「 DesignerPlusフルバージョン」です。職業用ソフトウェアでトップを走るウィルコム社のソフトがベースになっているそうです。価格は20万円前後です。30日間無料トライアル版があります。
BERNINA Embroidery Software 8 - DesignerPlus - BERNINA
イラストや写真をらくらく刺しゅうデザインに変換するオートデジタイズ機能やカウチング、カットワーク、マルチ刺しゅう枠に対応しています。カットワークが自動でできるなんてベルニナすごい。ジャノメの刺繍データ(.jef)も出力できます。
ジャノメの最新ソフト「アーティスティックデジタイザー」も試してみたかったのですが現在体験版はありませんでした。すでに販売終了しているジャノメの旧刺繍ソフト「デジタイザーMBX」とベルニナのソフトはともにウィルコム社のソフトがベースなので似ているそうです。
プラザー 刺しゅうPRO 11 お試し版
イラストを選ぶ
画像から刺繍データを作成します。「ヨーロッパ花の装飾文様」の画像を修正せず使用します。
画像の入力
レイアウトセンターの[オート パンチ]をクリックしてウィザードを起動させて画像を入力します。
範囲の設定
いろいろな枠で画像を切り取ってくれるようです。
原画の調整
原画の調整ができます。色分けしやすいようにコントラストを強くしました。
範囲の確認 / 画像のサイズと位置の変更
画像の位置とサイズを調整します。「ページのサイズに合わせる」ボタンをクリックすると自動で納まるように画像を調整してくれます。
オートパンチの設定
ノイズ除去、解像度、最大糸色数を指定します。指定された刺繍データが作られます。
ステッチの変更
花の領域にサテンぬいとタタミぬいが混在しています。中心部をタタミぬいからサテンぬいに変更します。
ぬい設定のメニューをタタミぬいからサテンぬいにするだけで変更になります。
刺繍データの完成
「ヨーロッパ花の装飾文様」の画像を使用して刺繍データを作成しました。デジタルで描いたベタ塗りの画像ではありません。背景や葉の部分は色がまだらに混在している画像です。でも綺麗に色分けしてくれました。フリーの画像ソフトだと一発でこんなに綺麗に色分けできません。そこは刺繍ソフト、刺繍に適した減色をしてくれているのでしょうか。
サテンぬいやタタミぬいが混在していますがぬいの変更はメニューを切り替えるだけ、超簡単。ただし意図する変換と違うところがあるので細かな修正は必要です。
刺しゅうPRO 11には上記のレイアウトセンターの他にデザインセンターという刺しゅうデータを作成するツールがあります。線や面の糸色やぬい方をレイアウトセンターより細かく設定することができるそうです。残念ながらお試し版にはありませんでした。輪郭線画機能があるので試してみたかったです。
まったくの初心者によるプラザー刺しゅうPRO 11[オート パンチ]の感想でした。
次回はベルニナの「刺しゅうソフトウェア8 - DesignerPlus」です。